おじさんとコペル君
悪い子なので、『君たちはどう生きるか』の漫画版を立ち読みで済ましました。一度購入したのですがなくしちゃいまして……。原作のほうはいま半分くらい読みました。感想というか、モヤモヤなのですが、北見と山口のこと。
山口はなぜコペル君のような心をもてなかったのでしょうか?。そりゃあ、大人になって意地悪したことを後悔することもありますが、ずっと山口みたいなままの大人もいますよね。
そういえば医師とこういう話しをしました。
「先生、病気と病気ではないちがいってなんなのですか」
「なんだと思う?」
「うーん。苦労しているか?」
「惜しい。正解は生活に支障をきたしているか。仕事だったら三ヶ月。三ヶ月つづけてでないのなら問題があるといえるね」
怨憎会苦。山口みたいな悪童も大人の社会で上手くやっていたりします。そのために北見や浦川やコペル君みたいな善良な人間は苦労するでしょう。誰もがコペルニクス的に考えられるわけではない。むしろ多くの人は自分中心に考えて生きてしまう。なかなかその偏りから抜け出せないものです。たぶんコペル君のような子はこれから苦労することになります。
きっと、コペル君はそのために本を書くのでしょうね。おじさんがそうしたように。コペル君のお父さんはコペル君に立派な人間なってほしいと考えていました。ほんとうの文学者はそのことをうんと考えていることでしょう。ということで読書しましょう。
生き物のオーラ
人間になりたい猫の願いを神さまが一週間だけ叶えてくれて、男の子に恋をするんだけど、その男の子はじつは犬という物語を考えた。
精神病とは、自分との闘いなのです。しかしなかなか自分だけでは脱出できません。今日は辛いなあ、と闇のオーラに呑まれたら、闇の考えしか浮かばなくなります。
ぼくは、最近は寝てばかり。働きもせず寝ているの悪いなあ、とか。このまま頭を使わなかったら認知症になるのでは、とか。絵が上手く描けないな、と不安を抱えてしまって未来の可能性を信じなくなる。未来は明るいと信じられない。そもそも、考え込む時間があることが問題なのかもしれません。
猫を描い始めてから、夜中猫と遊ぶのですが、生き物のオーラというものがある気がします。その生き物のオーラを浴びると心が潤います。
人間にも猫にも昆虫にもオーラがあって、それはたぶん生きている、ということだと思うのですよ。
むかしは昆虫採取が好きでよく虫を探していたのですが、あのときはそのオーラのちからで生きていたような気がします。
悪業! 狐のお仕事 第二幕
★(1)
『ひとりのちからなんて知れているというものです!。みんなおおくの人に支えられて生かされています。わたしはそのことをはじめ母から学びました。お屋敷から雪の降りしきる景色を窓ごしに眺めていると、「ホットミルクよ」と母は呼びました。わたしはふり向き、笑顔で「ありがとう」と言いました。そうして「寒いわね」と笑う母に、「へーきへーき」とホットミルクを受けとります。皇室の生まれといっても母と子の関係はやはり同じ “愛の法則” があるのでした。そして、高校へ通う権利が国に認められた日から、わたしは集団の中で学ぶこととなり、母以外のいろんなな人がいて、友だちをつくるのが喜びになりました。』
★(2)
八月十四日
事務所の裏では夏祭りの準備中。
小さな神社だった。祭神は安産の神ということだ。屋台は数件のみ。巫女は忙しいそうだ。
百華「うまそうじゃろ」
六花「お酒! わたしは嫌いです! 百華さんってそういう健康には不真面目なんですね」
百華「…………ま、よい」
★(3)
百華「貰ったのものじゃ。かわりにスイカをやることになった。社交辞令というやつじゃ!。あ、そうじゃ、わしの娘は学校に通っておったが、国から認可がおりたそうじゃな」
六花「はい! これで学校を通えますよ。うれしい〜」
百華「そうか、よかったの」
六花「……ってエエ〜!!」
★(4)
ぷくぷく笑う六花。
(あの百華さんもちょめちょめしたのですね! 驚き桃の木山椒の木! )
ジト目の百華。
百華「仕事を辞めるなら今じゃぞ」
六花「い、いえまだつづけます!」
まだ、とはどういうことなのかと呆れる百華。
六花「ではでは、今日はこれで! 制服を着るの楽しみです」
百華「…………わかった」
★(5)
六花はにやけながら歩いている。
(友だちできるかなあ。人間とうまくやれるかな? どんな未来が待ちうけているの?)
街ですれ違う若人が、すべてこれから出会う希望に見えている。六花はますますテンションが上がってきた。スマホで遊んでいる姿。スタバでコーヒーを飲む高校生の姿。
「スタバ! ああ、はいってみたいなあ」
★(6)
スタバ店内。
店員「いらっしゃいませ」
六花「……う。あ、はい!」
(ずいぶん並んでいますね。どうしてスタバにこんなに外国のかたがいるのかなあ? そういえば、スタバは外国にもあるらしいです。なるほど、日本人が外国で寿司屋さんに安心するようなものなのですよ! )
★(7)
(視線が気になります)
店員「こちらがメニューになります」
六花「キャラメルフラペチーノお願いします!」
高校生「狐娘?」
六花「あの、はじめまして。もしかし天狼高校のかたですか?」
高校生「はい」
★(8)
六花「よかったあ! 今度、わたし天狼高校で学ぶことになって」
高校生「そうなの? 狐娘さんが? 他意はない。私は七海(ななうみ)。よろしく」
六花「差別しないんですか?」
七海「まさか、私はそんな輩じゃないよ。安心しな。むしろそんな差別する奴なんか、音楽の敵だよ」
(音楽?)
★(9)
七海「はじめましてだな。私は天狼高校の吹奏楽部に所属している七海静波(ななうみしずなみ)」
六花「よろしくです!……あの、音楽って? わたしは一度、音楽が好きな友だちがいて、オーケストラを聴きにいったことありますが、もしかしてそれですか!」
頭を横に振る七海。
七海「オーケストラまでいかないよ」
★(10)
七海「オーケストラは弦楽器・管楽器・打楽器で構成されるんだけど、吹奏楽は管楽器と打楽器のみで構成されて、ヴァイオリンなどの弦楽器はないんだ。あ、吹奏楽部にはいる?」
六花「楽しいそうですね! でもわたし不器用で……」
七海「不器用か……学校に吹奏楽部にも属さない、不器用な男の子がいるんだよ。ピアノ弾きなんだけど、いじめられていてね」
(ひどい‼︎ 音楽が好きな人に悪い者はいないはずです)
★
(11)
七海「ま、部活はいろいろあるから好きなの選びなよ。あいつみたいに部活に属さない難しい生徒もいるし、自由だよ」
六花「自由かあ〜」
校舎は白く大きくどっしりと建っていた。学校を案内される六花、七海とは途中で別れた。黒い制服が美しい。
★(12)
痩せた眼鏡の男性教師。
廊下はぼんやりとした日差しで温められて蒸しあがっていた。窓は閉めてある。
(しん、としていますねえ)
教師「みんな登校日に狐娘がくるのを知って興味しんしんだよ。お昼休みに七海と会ったんだろ? あいつまた抜け出したのかあ。七海と同じクラスだ、六花」
★(13)
教室の扉が開く。教師は六花を先導して黒板の前に立った。クラスメイトの視線は六花にそそがれている。
密かに会話が聞こえた。
「尻尾と耳があるってほんとだったんだ」
「しっ、静かに」
(どうしよう、自己紹介しなきゃ)
★(14)
教師「日本神話にあるとおり、わが国は神々にまつわる伝説が数多くありますし、民話にも狐と暮らす人間の話があります。その昔、大陸の方にも仙狐の伝承がありますし、人との関わりは深い。さ、自己紹介」
六花「あの、ゆきです……ランニングとかが趣味です」
★(15)
教師「わかっていると思うが狐娘だからといって特別な扱いはない。同じように授業を受け学ぶこととなる。」
生徒A「狐は人を騙すってほんとうですか?」
教師「それを差別的発言というんだ山崎」
(うう、あながち間違いでもない)
★(16)
教師「いいか? 社会的に少数派の狐が生き残る手段として犯罪に手を染めることがあっても、人間と違うとはいえない。つまり人間と動物との違いである知能に問題ないのだから仲間といってもいい。イルカや猫や犬は人語を解さないが、狐娘はできる。くれぐれも特別扱いしないように」
生徒B「でも寿命も違うし見た目も違うし、やっぱり人間じゃないわよ」
ざわつく教室。
教師「黙れ」
★(17)
教師「お前たちも歴史で習ったろう。ナチは優生学に基づき優秀なドイツ人とそうでないユダヤ人に分けた。学問をゲルマン、ローマ、ユダヤ分けて、なかでも自国民が優秀だと結論づけたのだ。日本人は傾きやすく、過去には戦争に加担した」
生徒C「それはあまりにも飛躍していませんか? 優劣はどこにでもありますし、なにより狐娘は人間と同じ種族ではないのは遺伝的にも明らかです」
教師「黙れ。それこそ恐ろしい考えかただ。いまの時代こそ広い視野で捉え、かつての歴史を反省しなければならない。君たち若いものは単一の民族としてしか国を知らない。そうではなくて、他民族国家のようなあり方が時代にあっている。日本もそうなるべきだ」
(うう、喧嘩になりそうですし)
★(18)
教師「六花、七海のとなりだ」
七海「よろしく。佐原先生は人権にはうるさいから安心しなよ」
六花「おんびんにいきたいですよーもう。初日から議論になっちゃって、ちょっとショックです」
★(19)
背後の席の日焼けした女子。活発そうな顔。
月島「ゆきちゃん! サッカー部においでよ。一目でわかったよ! 女子サッカーに向いているよー! 七海もそう思うよな!?」
六花「じゃあ、サッカー部に入ってみようかな!」
七海「たしかに向いてそう」
★(20)
月島「やりー! 友だち第一号!」
七海「友だち第一号は私だよ」
六花「う、うれしい!」
事務所。ソファで寝ている百華。
「どうしておるかのぉ」
白と黒
生きることとは苦しいものです。そんなのは誰でもわかっているはず。学校や仕事で人付き合いがうまくいなかったり、ぼくみたいにニート状態で孤独に悩むこともある。 いろいろある。
そのなかで生をどう肯定できるのでしょうか。
その前に自分は何者なのでしょう?。今日、ぼくは自分が何者なのかを考えていました。右翼なのだろうか、それとも左翼なのだろうか。暴力的な人間じゃないだろうか、ナルシストだろうとか。そんなことを考えていると、どれも当てはまりそうで、やっぱりそうとは言い切れない。もうどうでもいいやと結局は何もわからずじまいのままにしました。
猫の世話をしていたり、布団のなかでツイッターを眺めたりして、小説も書きました。小説では何が書かれているのかをはっきりさせなきゃいけない。そういえばぼくは白黒はっきりつけて考えてきたけれど、入院して自分でも頭がよくないと思いながら、答えなんて人によるんだと考えるようになった。たぶんまわりの人がはっきり規律をまもり、白黒はっきりつける人で冷たさをみたからでしょう。組織とはそういうものなのかもしれません。しかし、正しさという建物は中で働いていて、窓ガラス越しに世界を見ることだけなのでしょうか? もしかしたら手前勝手な落ちこぼれ思考なのかもしれないけれど、自分は紛れもなく世界に唯一で一個しかない存在なんだな、とどこかの時点で実感して、他者も同じなんだと考えているのかもしれません。鰻だって絶滅しかけて貴重な存在だとみんなが騒いでいます。唯一の命。たった一回の人選。生の肯定感はその貴重な命を大切にしたい想い。これは子供のときの心で長い旅をしてかえってきたのかもしれない。命は大切です。命は大切だから肯定したい。だんだん関心が夢とか、共産的な、友愛とか、分かち合いを求めるように向いてきたのかもしれないもしかしたら、はじめからそうだったのかもしれない。
ちょっとした憂鬱
朝目覚めると憂鬱だったりします。が、なんとか生きています。同じ日々を繰り返しています。
姉がインフルエンザに感染したらしくて、流行っているのを実感しました。
やったことといえば、ユーチューバーの動画を観たり、友達とスパワールドへいったりしました。それくらいです。
退院してから少しずつ回復してきているとは思う。ただ、まだまだ時間はかかりそう。
ぼくは生きているだけで満足できないようで目標とか野望があればいいのですが、ない。
あ、野望ではないけれどpixivがBOOTHという発表できる場をつくって、ぼくも漫画を描こうとしています。うーん筆がのらない。
プログラムをちょっと勉強していたりしました(飽きたけれど)。
自分がストーリーものを書くと辛気臭くなる。昔の作品とか読み返してみて、コメディしか描けない人なんだな、と自覚。