さくららい制作日記

こころと創作について

危ないセールスマン

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  いやあ、じつは明日からカナダへ出張で。あ、タマモはおとなしいですよ。

 

  タマモがうちに来てから、妻はなぜかカンカンだし、僕はなぜたか懐かれて、四六時中の世話をしている。

 

プルルルル……プルルルル……
「どうですかタマモの様子は?」
「それが、懐かれちゃって大変で……」
プープー
「あれ?」
電話は突然切られていた。

 


  どうしたタマモ?


  僕はタマモをみた、タマモは全裸だった


「あずけたのはきみじゃないか」
「だからって!! あんなことするとは思わなかった」


「まあ、じつは新しい狐を飼うつもりだから、いいです」
「は?」
「じつは、カナダに恋人の狐がいるから、どうかタマモを幸せにしてくださいね」


「それって、どういう……」
「ちょっ、ちょっとまってください!! 僕には妻と子供がいるんです」
「タマモに手をだしたのは、きみじゃなかった?」
  どうして、こんなことに。


  思えば、あの変な黒いセールスマンと旅館で飲み交わした頃、ふしぎな話しをした。

 

「あなたの願い、叶えます」


……………………………………。
「お父ちゃん、帰ってこないね」

「あの人、いったいどこへいったのよ」

ふとめくった雑誌の端の記事
“妻子を忘れたサラリーマン 狐と不倫”
【完】