さくららい制作日記

こころと創作について

こころ

 

  思えば、誰かに振り回されてばかりの人生だった。

 

主に、家族とうまくくいっていなかった。幼い頃は、姉が事故にあい、兄は精神病でよく暴れ、苦労は多かった。不幸な人生だと自分で慰める。ぼくは疲れてしまった。

 

  梅田、それから天満や京橋でブラブラしていた。いろいろな物があって、いろいろな暮らしぶりがある。ビルの陰からビルの陰へ移動し、人間を観察した。

 

電車に揺られる。

「俺、歳上が好みでさあ」
「わかる。歳上のお姉さんっていいよね」
高校生だろう。
「25くらいまでならぜんぜんあり。30とかになってくると、さすがにちょっと」

ううむ。そうか、お姉さんは25歳くらいまでなのか、30はおばさん?。

精神の成熟とはなんだろう?。
25歳の女性の精神が、どういうものなのか、ぼくはよくわからない。社会人として自覚を持って、そろそろ結婚を考えているのかもしれないし、ずっと独りを貫く決意があるのかもしれない。

  歳上の女性に憧れの気持ちの若さか、いいな。スカートの裾を気にする女の子や、お姉さんに憧れる潤いのある気持ち。そうして、潤いをなくして、枯れて、うしろめたさ、恥じらいをなくしてしまったら、おばさん、おじさんになるのだと思う。

 

  忘れたら、おばさん、おじさんになって、自分が小虫であることを考えなくなるのだろう。それで尊大な考えを持つようになるのだろう。立派な人とは常に自らの小ささを感じているものだ。

  自宅に着いてから、毎日寝ている蒲団に横になった。最近、ずっと蒲団で寝ている。
寝ていながら、生きていることの辛さや苦しさを感じている。