さくららい制作日記

こころと創作について

怪物の正体

  前回は絵ばかりだったので、今回は思弁を語ろうと思う。

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  ミステリーとは謎が解かれてゆく作品のジャンルのことだ。

(で、この記事は方向性が散漫なので、ひとつ言っておくけど、犯罪を犯しやすい人間は生まれつきのことがある、という結論を先に頭に入れてもらいたい)

 

新作に向けて構想を練る。

ジャンルはミステリ。

 

  犯罪心理やサイコパス、認知や法律について調べはじめている。そこで、僕らが疑問に思っていたことが、どれどんわかってきた。

障害者施設の殺人のニュースはもうご存知かと思う。犯罪は「秩序型」と「無秩序型」に分けられる。これは後者に分離されることがわかるだろう。反社会行動を起こしまう利他性の欠如。彼はサイコパスだったのだろうか。

 

ーー参考文献は『診断目 サイコパス』がいいでしょう。

ノンフィクションハヤカワ文庫。

 

  サイコパスはしばしば“ソシオパス”と区別される。なぜならサイコパスのことを多くの人が“精神病”と混同しているからだ。反社会性が幼少期の経験に由来している、と考えられた場合はソシオパスを活用し、遺伝的要因も関係していると考える場合はサイコパスを使う。

  プロファイリングという犯罪像を特定資料の作成はアメリカで行われたが、犯罪心理学を捜査の手掛かりにする基礎を作ったのはイタリアの精神科医であるチェーザレ・ロンブーゾという人だ。

彼は数千人の頭蓋骨を調べて犯罪には先天的要因がある、と考えた。

例えば頭部の肥大した人は犯罪を起こしやすい、というもので、それは「生来的犯罪人説」と呼ばれている。

現在の多くの日本人は、生まれながら犯罪者になるなどは考えられていない。

ただ、僕は頭蓋骨の歪みが身体的なストレスを生み出すこともうつ病治療の際に調べた。

さて、どちらと呼ぼうか。

この本の著者は“サイコパス”と読んでいる。

サイコパスは犯罪を行う時に自覚を持っており、またその脳波は常人のものとは思えないらしい。

サイコパスの中には優秀な成績であったり、社交的で笑顔を振る舞う者も多い。それは一見魅力ある人物だが本性は相手に見栄を張るナルシストであり、そして様々な口実であなたを追い詰めることになるかもしれない。

 

ソシオパスを今回は扱う。

  彼は無職となって復讐とあるが、実は通り魔は無職などで劣等感を感じていた場合が多い。

普通の人は仕事を辞めさられて殺しはしないだろう。利他性の欠如は子供の頃の愛情不足が原因である、との指摘もある。

見当違いかもしれない、しかし、僕はその説に乗っけて反社会は自身が与えらてきた愛情を上回ると犯罪と化す、と考える。

そして、本来的に犯罪心理はプロファイリングをして捕らえムシュに閉じ込めるものではなく、むしろ社会更正してもらうものなのだ。だが、彼は死刑になるかもしれない。ただ、それを判断するのは倫理の問題になる。

彼は悪か。

ーー参考文献『入門 犯罪心理学

ちくま新書

ーー参考文献『これから「正義」の話をしよう』

ハヤカワノンフィクション文庫。

 

  僕らがニュースで見聞きする犯罪の数々はより扇動的にエモーショナルにいわばストーリーとして扱われるが、実際の犯罪から大きく掛け離れている。それは、面白くないからだ。より視聴率を上げるたもにフィクションに仕立て上げる。

メディアがフィクションとして犯罪をネタにして、それを視聴が憤慨したり哀しんだりするのだ。

例えば、かのフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーは『レ・ミゼラブル』の主人公ジャンバルジャンをパン一枚の罪で様々な汚名を着せられる姿を書いた。

ユーゴーは反死刑派として『死刑囚最後の日』を書いている。

フランス革命の時代には様々な処刑があり、その残虐さ、悲惨さ、虚無感を感じていたのかもしれない。

 

「国が、資格が、こんな特許が、親が、信頼する友人がこういったから・・・すぐ、安心し、思考を停止する。そのくせ、裏切られたときには、豚のようにわめき散らす」

法月将臣(車輪の国)

 

……うん。

モラルは生活上で築かれる感覚だ。

より自分を肯定する方へ流れていき、まず、否定するものを避けようとする。

人は自分を肯定するもの、前向きな考えが大好きなのだ。

特に空間的な同一が生み出す感情はどんどん肯定感を生み出す。

となりの席の女の子や男の子を好きになるのはそなためだ。

 

ーー参考文献『日本人の心理』

岩波新書 青版。

  そんな感覚ありきで倫理感が後から遅い思考として生まれてくる。合理性のために。

合理性と整合性は異なるもので、人は論理的でないものを簡単に信じてしまう。

大抵、法律はそんな生活上で築かれる感覚の一つ無意識に植え付ける。それはフロー効果だ。

 

ーー参考文献『ファスト&スロー』

ハヤカワノンフィクション。

 

  この著書は人の認知の権威だが、なんとノーベル経済学賞を受賞している。

そして、そんな偉い人が書いたのだから、当然素晴らしい本だと思うだろう、それこそこの本に書かれているフロー効果と呼ばれるものだ。

ノーベル賞受賞者だからと言って素晴らしいとは限らない。

その整合性のなさを論理とは呼べない。

僕らは整合性より合理性の生き物だと、わかっただろう。

さて、とりあえず長くなったので、ここまで。さらに調べよう。

 

 

次回につづく。