さくららい制作日記

こころと創作について

おじさんとコペル君

  悪い子なので、『君たちはどう生きるか』の漫画版を立ち読みで済ましました。一度購入したのですがなくしちゃいまして……。原作のほうはいま半分くらい読みました。感想というか、モヤモヤなのですが、北見と山口のこと。

 

  山口はなぜコペル君のような心をもてなかったのでしょうか?。そりゃあ、大人になって意地悪したことを後悔することもありますが、ずっと山口みたいなままの大人もいますよね。

 

  そういえば医師とこういう話しをしました。
「先生、病気と病気ではないちがいってなんなのですか」
「なんだと思う?」
「うーん。苦労しているか?」
「惜しい。正解は生活に支障をきたしているか。仕事だったら三ヶ月。三ヶ月つづけてでないのなら問題があるといえるね」

 

  怨憎会苦。山口みたいな悪童も大人の社会で上手くやっていたりします。そのために北見や浦川やコペル君みたいな善良な人間は苦労するでしょう。誰もがコペルニクス的に考えられるわけではない。むしろ多くの人は自分中心に考えて生きてしまう。なかなかその偏りから抜け出せないものです。たぶんコペル君のような子はこれから苦労することになります。

 

きっと、コペル君はそのために本を書くのでしょうね。おじさんがそうしたように。コペル君のお父さんはコペル君に立派な人間なってほしいと考えていました。ほんとうの文学者はそのことをうんと考えていることでしょう。ということで読書しましょう。